ワンコは何でも知っている。
私の実家では、歴代4頭のワンコと暮らしていました。
今は両親も高齢になり、ワンコを残して逝けないと、最後のワンコが虹の橋を渡ってからはもう誰も居ないのですが。
どちらのご家庭でも同じかと思うのですが、母親は実の子よりワンコを溺愛。
ワンコは家庭内のヒエラルキーが良く解っているので、子供達はワンコと同等、もしくは格下と認識していますよね。
我が家では末っ子の妹のことは完全に自分より下の位、よく物を取られては返してもらえず、子供VSワンコの本気のバトルになり、最後に一応手加減したガブっ!をやられ勝敗が決まっておりました。
特に、4代目ワンコの「ミニチュアブルテリア」の女の子は、非常に人間臭いところが多く、今までのワンコの中で一番姉妹の一員らしく振舞っていました。
帰ってくると“うれしょん”するほど喜び、ちょっと怒ったりすると、母のところに飛んで行き、意地悪されたとアピール。
特に、置いて出かけた時の仕返しは凄いものがありました。
ある日、携帯電話を充電したまま忘れて出てしまい、外からかけて繋がらず。
紛失したのかと不安になって帰って来ると、粉々にかみ砕かれた、ガラケーの残骸が…。
感電しないで良かったと思うしかありませんでした。
また、ある時は妹が自分の部屋のドアを開けた瞬間、中から鳥の羽と共に勢いよく飛び出して逃げていった白い物体を確認。
部屋は一面羽毛で埋め尽くされ、無残にも引き裂かれてボロボロの羽毛布団の姿が…。
養鶏場さながらの光景に、もう笑うしかなかったと。
それでも、部屋のドアを開けっ放しで出掛けた私達に非があると、「悪くないもんねぇ~」とナデナデする母。
チラっと余裕の視線を私達に投げかけながら、してやったり顔の白い悪魔は、何でも知っていたはず。
夜中に布団に入れてほしいと枕元にやってくるのですが、わかっていても寝ぼけた頭では認識できず、暗闇に浮き上がる白い姿に何度もヒイッとさせられました。
夢でもいいからまた来て驚かせてね。